一般社団法人 日本エステティック評議会

エナジードリンクと栄養ドリンク

エステティックサロンのお仕事はお客様が思うより体力仕事で、不定休のシフト制で働き、繫忙期にもなれば連勤が続き続けるということもあるでしょう。疲れからついつい、「エナジードリンク」や「栄養ドリンク」を飲んで自分自身の体調を誤魔化していたりしませんか? 実はエナジードリンクにも栄養ドリンクにも飲むメリットとデメリットがあり、身体の具合によっては飲まない方がいい人も存在します。今回はエナジードリンクと栄養ドリンクについて違いを比べながら見ていきたいと思います。

エナジードリンクと栄養ドリンクは何が違うの?

甘くて元気が出るという点で同じようにも思える二つですが、実は大きな違いがあります。

●エナジードリンクと栄養ドリンクの分類上の違い

エナジードリンクは食品の中の「清涼飲料水」に分類されており、実は具体的な効果や効能を表現することはできません。なんとなく元気になれそうというイメージはメタリックな缶やCMの印象、そして実際に飲んだ時に爽快感が出る炭酸のおかげかもしれません。また、摂取量に関しても特に制限はされていません。ただし、EUや欧米では、エナジードリンクでの健康被害が報告されており、制限が入っている国もあります。

 一方、栄養ドリンクは「医薬品」もしくは薬に準ずる「医薬部外品(指定医薬部外品)」に分類されているものです。疲労回復に有効な成分が配合され、商品ラベルに効能・効果の表記があり服用量も定められています。

●エナジードリンクと栄養ドリンクの成分の違い

 エナジードリンクには、アルギニンやカフェイン、糖類、ビタミン類などが含まれています。栄養ドリンクには、ビタミンの他、タウリンというアミノ酸の一種や生薬、カフェインなどが配合されています。

エナジードリンクと栄養ドリンクの成分の特徴を知ろう

 エナジードリンクと栄養ドリンクに含まれる成分について、その特徴を紹介します。

ビタミンB群:肉体疲労、眼精疲労、皮膚や粘膜ケア

 ビタミンB群は糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに換えるのに必要な栄養素で、肉体疲労や倦怠感、眼精疲労の他、皮膚や粘膜の健康にも効果的です。水溶性なので、調理方法によっては失われやすく、食事で摂っているつもりでも不足していることがあります。

ビタミンC:皮膚、粘膜、血管や筋肉を正常に保つ、メラニンの色素沈着の抑制・抗酸化作用

 ビタミンCは強い抗酸化作用を持ち、有害な活性酸素の働きを抑えます。また、コラーゲンの生成に関与し、皮膚や粘膜を正常に保つことで感染防御を高めます。肌のシミの原因となるメラニン色素の生成を抑えるなど、美容にありがたい栄養素です。過剰摂取をしても、余分な分は排出されますが、腎結石がある人は注意が必要です。

アミノ酸:運動直後の栄養補給・筋肉への働き

 アミノ酸は身体をつくるタンパク質のもとになっている栄養素で、体内への吸収が早く、仕事や運動で疲れを感じた直後の栄養補給に最適。中でも筋肉疲労を回復する働きが知られていますが、たんぱく質の構成には20種類のアミノ酸が必須で、このうち体内で産生できないものを「必須アミノ酸」、体内で糖質や脂質から産生できるものを「非必須アミノ酸」と言います。非必須アミノ酸のアスパラギン酸やアルギニンなどは、栄養ドリンクによく配合されています。

タウリン:疲労回復、肝機能強化、高血圧予防

 タウリンは、たんぱく質が分解される過程でできるアミノ酸に似た物質で、脳や心臓、骨格筋、目の網膜や肝臓などに存在し、母乳にも多く含まれ、乳児の発育にも重要な成分です。食品では魚介類に多く含まれていますが、栄養ドリンクなどの医薬品、医薬部外品に配合されているタウリンは化学合成されたものです。また、タウリンと似たような成長ホルモンの分泌を促し、エナジードリンクに含まれるアルギニンが良く比較されますが、アルギニン自体が含有量的に人体にあまり影響を与えないこと、血流の改善を促すことから、それぞれの効能が全く異なっているため、エナジードリンクに配合されるアルギニンはタウリンの代用として含まれているわけではありません。

カフェイン:中枢神経刺激作用による眠気や倦怠感の改善など

 食品である清涼飲料水に規定量はありませんが、医薬部外品の栄養ドリンクではカフェインの含有量に規定があり、1日量は50mgまでとなっています。カフェインの過剰摂取は中枢神経系の刺激によるめまいや心拍数の増加、不眠、下痢、吐き気などの健康被害をもたらすことがあります。医薬品、飲料、サプリメントなどを含めて、自分が1日に合計何mgを摂っているのか、過剰摂取に対する注意が必要です。

 カナダの保健省では、健康な成人は400mgまで、妊婦は1日300mgまで、子供はカフェインに対する感受性が高いため、4~6歳はMAX45mg、7~9歳はMAX62.5mg、10~1歳はMAX85mgと定めています。

カフェインを摂らずにはいられなくなる、注意した方がいい「カフェイン離脱頭痛」

 1日200mg以上のカフェイン摂取を14日以上続け、次の摂取まで間隔があいた場合に起こる頭痛は「カフェイン離別頭痛」の可能性があります。この頭痛は最後のカフェイン摂取後24時間以内に出現し、100mgのカフェイン摂取で1時間以内に体調が快方に向かうのが特徴です。頭痛解消としてのカフェイン摂取が習慣になると、摂取量が増加する恐れがあります。正しい改善法はカフェインを完全に立つこと。離脱症状としての頭痛は、約1週間で消失するとされています。

注意しておきたい糖質の過剰摂取

 エナジードリンクの中には、血糖値を上げるため一般的な飲料に比べ過剰ともいえる量の糖質が配合されている場合があります。糖質は「炭水化物-食物繊維」の計算式にて求めることができますので某有名商品を測ってみました。

代表的なエナジードリンクの成分表示を見てみると、某商品Aの炭水化物が「100mlあたり10.8g」、某商品Bの炭水化物が「100mlあたり13g」。食物繊維は2商品とも0gなので計算をすると、某商品Aの1本(250㎖)の糖質が27g(角砂糖約7個分)、某商品B1本(355㎖)の糖質が46.15g(角砂糖約12個分)となります。普段の食生活に加えて、多量のエナジードリンクの摂取は将来的な健康不安をもたらします。よく留意して飲むようにしましょう。もちろん、栄養ドリンクにも糖質が含まれているものもあり、栄養ドリンクだからたくさん飲んでもいいということではありません。

気分をシャキッとさせたいときは「エナジードリンク」を!

 エナジードリンクは、炭酸やカフェインの効果で気分をシャキッとさせるタイプが中心ですが、中にはノンカフェインで、リラックス効果を特色にしたものもあります。商品によってさまざまな味やパッケージに特徴があります。必要な場面や好みで気分に合うものを適量摂取しましょう。

具体的な不調には「栄養ドリンク」がおすすめ!

 医薬品あるいは医薬部外品に分類される栄養ドリンクは、身体の機能改善や不調予防のためのもので、目的に応じて有効成分を配合しており、下記のように効能・効果が表記されています。

疲労回復/集中力の維持・改善/肌の不調/貧血気味/目の疲れ etc

栄養ドリンクのラベルには、このように具体的な表記がされていますので、自分の体調に照らし合わせ選ぶことができます。ノンカフェインタイプもあるので、就寝前にも服用できるなどシーンや時間帯に応じて選ぶことも可能です。病中病後の体力低下時の栄養補給にも、栄養ドリンクが助けになります。選ぶのに迷った時は薬剤師や登録販売者に相談してみましょう。

いかがでしたか? エナジードリンクも栄養ドリンクも、適量を必要な場面で飲む分には問題ありません。基本的な栄養補給は、1日3回の食事をバランスよく摂ること。その上でエナジードリンクや栄養ドリンクを活用していきましょう。JACでは、サロン経営のサポート事業の一環として、サロンスタッフの体調管理についてもご相談を受け付けております。お気軽にご連絡ください。

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